マットピラティスは、専用のマシンを使わず、自分の体重を負荷として行うピラティスの基本形です。手軽に始められ、場所を選ばないため、自宅で気軽に体幹を鍛えたい方におすすめです。
1. ピラティスとは?
ピラティスは、ドイツ人従軍看護師のジョセフ・ピラティス氏によって考案されたエクササイズです。
第一次世界大戦中に負傷兵のリハビリのために開発され、その後、ダンサーやアスリートのパフォーマンス向上、姿勢改善、体幹強化など、様々な目的で活用されるようになりました。
ピラティスは、呼吸法と体幹を意識した動きを組み合わせることで、身体の深層部にあるインナーマッスルを鍛え、姿勢改善、柔軟性向上、体幹強化、バランス感覚向上、そして精神的なリラックス効果をもたらします。
2. マットピラティスとマシンピラティスの違い
ピラティスには、主に「マットピラティス」と「マシンピラティス」の2種類があります。
マットピラティス: マットの上で、自分の体重を負荷として行うピラティスです。特別な道具を必要としないため、手軽に始められるのが特徴です。
マシンピラティス: 専用のマシン(リフォーマー、キャデラックなど)を使って行うピラティスです。マシンのバネや滑車を利用することで、負荷を調整したり、より高度な動きに挑戦したりすることができます。
どちらのピラティスも、体幹を鍛え、姿勢を改善する効果がありますが、マシンピラティスの方が、より細かく負荷を調整できるため、個人のレベルや目的に合わせたトレーニングが可能です。
3. マットピラティスの効果
マットピラティスは、継続することで様々な効果が期待できます。
体幹強化: マットピラティスは、腹筋、背筋、骨盤底筋群など、身体の中心にある体幹を重点的に鍛えます。体幹が強くなることで、姿勢が改善され、身体の安定性が向上します。
姿勢改善: 体幹が強化されることで、骨盤の位置が安定し、背骨のS字カーブが自然な状態に戻ります。これにより、猫背や反り腰などの姿勢が改善されます。
柔軟性向上: ピラティスの動きは、筋肉を伸ばしたり、関節の可動域を広げたりする効果があります。これにより、身体の柔軟性が向上し、怪我の予防にもつながります。
インナーマッスルの強化: マットピラティスは、身体の深層部にあるインナーマッスルを効果的に鍛えます。インナーマッスルが強くなることで、身体の安定性が向上し、基礎代謝も上がります。
バランス感覚向上: ピラティスの動きは、バランス感覚を養う効果があります。これにより、転倒しにくくなり、スポーツパフォーマンスも向上します。
ダイエット効果: マットピラティスは、筋肉をつけ、基礎代謝を上げる効果があるため、ダイエット効果も期待できます。
リラックス効果: ピラティスの呼吸法は、副交感神経を優位にし、リラックス効果をもたらします。ストレス解消や睡眠の質の向上にもつながります。
骨盤の歪み改善: 骨盤周りの筋肉を鍛えることで、骨盤の歪みを改善し、生理痛や便秘などの症状を緩和する効果も期待できます。
4. マットピラティスの基本原則
マットピラティスを行う上で、以下の基本原則を意識することが重要です。
呼吸: ピラティスの呼吸法は、胸式呼吸と腹式呼吸を組み合わせたものです。息を吸うときには、肋骨を広げるように胸を膨らませ、息を吐くときには、お腹を凹ませて、おへそを背骨に近づけるように意識します。
体幹の意識: 常に体幹を意識し、お腹を凹ませて、おへそを背骨に近づけるように意識します。
正確性: ひとつひとつの動きを正確に行うことが重要です。無理な動きは避け、正しいフォームで行うように心がけましょう。
コントロール: 身体の動きをコントロールし、反動を使わないように意識します。
集中: 身体の感覚に集中し、呼吸と動きを連動させるように意識します。
流れ: ひとつひとつのエクササイズをスムーズに繋げて行うように意識します。
5. マットピラティスの基本的なエクササイズ
マットピラティスには、様々なエクササイズがあります。ここでは、基本的なエクササイズをいくつか紹介します。
ハンドレッド (The Hundred): 腹筋を鍛えるエクササイズです。仰向けになり、膝を立てて、両手を天井に伸ばします。息を吸いながら、頭と肩を少し持ち上げ、両手を前後に小さく振ります。息を吐きながら、100回両手を振るのを目標に行います。
ロールアップ (Roll Up): 腹筋と背筋を鍛えるエクササイズです。仰向けになり、両手を天井に伸ばします。息を吸いながら、ゆっくりと上体を起こし、つま先に向かって手を伸ばします。息を吐きながら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
ロールオーバー (Roll Over): 腹筋、背筋、そして背骨の柔軟性を高めるエクササイズです。仰向けになり、両手を身体の横に置きます。息を吸いながら、両足を天井に上げ、息を吐きながら、足を頭の先に向かって倒します。息を吸いながら、足を天井に戻し、息を吐きながら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
シングルレッグサークル (Single Leg Circle): 股関節の柔軟性を高め、腹筋を鍛えるエクササイズです。仰向けになり、片足を天井に上げます。息を吸いながら、足を内側に回し、息を吐きながら、足を外側に回します。
ローリングライクアボール (Rolling Like a Ball): バランス感覚を養い、腹筋を鍛えるエクササイズです。膝を抱えて座り、背中を丸めます。息を吸いながら、後ろに転がり、息を吐きながら、元の姿勢に戻ります。
スワンダイブ (Swan Dive): 背筋を鍛え、姿勢を改善するエクササイズです。うつ伏せになり、両手を肩の横に置きます。息を吸いながら、上体をゆっくりと持ち上げ、息を吐きながら、元の姿勢に戻ります。
レッグプルフロント (Leg Pull Front): 体幹を安定させ、背筋を鍛えるエクササイズです。うつ伏せになり、両手を肩の真下に置きます。息を吸いながら、片足を天井に上げ、息を吐きながら、足を元の姿勢に戻します。
サイドキックシリーズ (Side Kick Series): 股関節周りの筋肉を鍛え、脚のラインを整えるエクササイズです。横向きに寝て、片方の手を頭の後ろに置きます。足を前後に振ったり、上下に上げたりします。
プランク (Plank): 全身の筋肉を鍛えるエクササイズです。うつ伏せになり、肘をついて身体を支えます。頭からかかとまで一直線になるように姿勢を保ちます。
6. マットピラティスを行う上での注意点
マットピラティスを行う際には、以下の点に注意しましょう。
体調が悪い時は行わない: 体調がすぐれない時は、無理に行わないようにしましょう。
水分補給を忘れずに: 運動中は、こまめに水分補給を行いましょう。
無理のない範囲で行う: 痛みを感じたら、すぐに中止しましょう。
正しいフォームを意識する: 間違ったフォームで行うと、効果が得られないばかりか、怪我の原因になることもあります。
呼吸を意識する: ピラティスの呼吸法を意識して行うことで、より効果を高めることができます。
継続することが大切: 効果を実感するためには、継続して行うことが大切です。
7. マットピラティスの効果を高めるためのポイント
マットピラティスの効果を高めるためには、以下のポイントを意識しましょう。
正しいフォームを習得する: 最初は、インストラクターの指導を受けたり、動画などを参考にしたりして、正しいフォームを習得しましょう。
呼吸法をマスターする: ピラティスの呼吸法をマスターすることで、より深く筋肉を刺激し、リラックス効果を高めることができます。
体幹を意識する: 常に体幹を意識し、お腹を凹ませて、おへそを背骨に近づけるように意識します。
ゆっくりと丁寧に行う: ひとつひとつの動きを、ゆっくりと丁寧に行うことで、筋肉をしっかりと意識し、効果を高めることができます。
毎日続ける: 毎日少しずつでも続けることで、効果を実感しやすくなります。
バリエーションを取り入れる: 同じエクササイズばかり行っていると、飽きてしまうことがあります。様々なエクササイズを取り入れる